夢のように花びらは過ぎ
笑っていて
あなたにだけは
笑っていて欲しいの
綿あめにくるまったみたいな
あの甘くてやわらかい時間を
ただ
あなただけに贈りたい
なんてことない時間さえ
輝きに変えてしまうあなただから
その何十倍も
その何百倍も
その何千倍も
幸せになって欲しいの
ありがとう
ありがとう
生まれてきてくれて
ありがとう
わたしと出会ってくれて
ありがとう
笑ってくれて
ありがとう
恋をさせてくれて
ありがとう
その全てが
当たり前じゃないってことを
教えてくれて
ありがとう
クルクル
好きなのだと
その一言が言い出せなくて
愛していると
気づいた時にはもう遅かった
クルクルと
楽しそうに笑顔を見せるあなたに
何度救われたことでしょう
どうか
あなたが幸せでありますように
どうか
あなたが笑っていられますように
どうか
その隣に立てますように
ふわり
ふわりと風に揺れる髪の毛が
わたしの視界に入り込む
ふと顔を上げた
その向こう側
ミルクティー色の隙間から輝く
その光に目を奪われ
わたしはそっと
手を伸ばした
まぶしくて
暖かくて
ただ
愛おしくて
バラ
たった5本の
その1本1本に
ありったけの
想いを込めて
赤色の
その美しさに
あなたを重ねて
どうか
受け取ってくれますように
わたしはそっと
その赤を差し出す
Journey in to Chapter II
第2章へ続く
Chapter II
一つの光景
お願い
封をしたままの手紙と
寂し気に横たわる真っ赤なリボン
思わず伸ばしかけたその手を
わたしはそっと引っ込める
ありったけの想いを込めた
その名残が教えてくれたの
チクリと痛む
この胸の正体と
頬を伝う
この水滴の訳を
失恋
この恋が終わる
そんなことは怖くないの
この心が変わる
ただ、それだけが怖いの
あなたに助けてほしいなんて
思わない
あなたを想う
この心の静けさ、強さが
わたしにとっての
全てだから
うそ
この恋が
嘘だったらいいのに
なんて
そんなことを
思ってしまうの
そうしたら
こんなに胸は痛まないのに
そうしたら
こんなに苦しくないのに
でもそうしたら
こんなに心は暖かくないのね
この恋が嘘だったらいいのに
なんて
そんなこと
少しでも
ゆらゆらと揺らぐ視界
少しずつ軋む心
涙でにじむこの想いは
胸の奥にしまっておくから
だからどうか
笑っていてください
少しでも
ほんの少しでも
好きでいてくれるように
あなたにだけは
曇りのない笑顔で
大人
大人になったの
わたし
大人になったの
だから
あなたのことを願うの
ただ
笑っていてほしいって
ただ
幸せになってほしいって
例えそれが
わたしとじゃなくても
fin d’un début
ある始まりの終わり