先のことを | 恋愛詩集 by yama。@歌詞屋
きみは春風
きみは春風
きみが笑えば
心の汚れた残雪もとけ出し
きみが怒れば
心に降る雨のにおいも変わり
きみが泣けば
心でふるえる蕾もひらき
きみと笑えば
心を春が吹き抜けるみたい
きみは春風
遅い春の終わり
薄寒さに目が覚めて
1人のベッドを出る
昨夜のシャツも脱ぎ捨てたまま
窓辺でタバコに火をつける
残り香も消えゆく部屋から
くすんだ空の青と
冷たい街に跳ねる光と
駅まで続く並木道の緑と
振り返る事なく
人混みに紛れてゆく君の姿と
遅い春の終わりを見ている
ブルーマンデーなんてあり得ない
ブルーマンデーなんてあり得ない
大抵のことは寝たら忘れるし
辛い仕事も終わればそれまで
昨夜はピンクムーンにも照らされて
なのに
家に送ったときのきみの
少し沈んだ「またね」が
ピンクムーンに照らされた笑顔が
ブルーマンデーなんてあり得ない
きっと、忘れてゆくのに
「落ち着いたらまた」
なんてかわしているうちに
きっと忘れてゆくのに
スマホ越しでも笑顔は浮かぶし
優しくされるとうれしくなるし
くるしくなるし
少しも落ち着かないまま
「落ち着いたらまた」
なんて
きっと、忘れてゆくのに
紫陽花
閉め切ったカーテン
雨の日の憂鬱を言い訳に
求めあった
湿気った部屋に
やまないメロディ
閉め切ったカーテン
紫陽花の花言葉をよそに
求めあった
知らず枯れ始めていた
二人のセオリー
それが恋だと
信じていた頃の話
閉め切ったカーテン
灼けつく日差しと
枯れた紫陽花のアイロニー
Journey in to Chapter II
第2章へ続く
Chapter II
一つの光景
手折れたコスモスに降る雪
元気にしてるかなと
都合良く思ってしまうけど
思い返すアキアカネのタンデム
去年より寒い冬
コスモスに降る雪を言い訳に
送った一言
既読もつかない
心を吹き抜ける張り詰めた風
既読もつかない
好きなのに
好きなのに
嫌いなんて言って
好きなのに
嫌いなふりをして
好きなのに
嫌いなわけを探して
そうして
きみが遠くなって
声もかけられなくなって
気付く
いまでも
好きなのに
こんなにも
こんなにも
こんなにも
あなた以外にあり得ないのに
こんなにも
こんなにも
こわれることを怖がってしまう
今よりも
誰よりも
あなたのそばで笑いたいのに
今よりも
誰よりも
遠ざかることを拒んでしまう
こんなにも
こんなにも
先のことを
紅葉にはまだ早いよと
きみは言うけれど
先のことを話していたいのさ
イルミネーションどうするとか
桜はまた綺麗に咲くだろうとか
今度こそ花火見に行こうかとか
紅葉のその先を
季節の先の先を
きみと話していたいのさ
先のことなんてわからないよと
きみは言うけれど
あなた以外
この先ずっとあなた以外
わたしを好きになる人はいない
離れた指先
涸れた涙
色を失った日々にもなれて
頑なな氷もとけたころ
目と目があうのは
気まぐれじゃないと
この先ずっとあなた以外
わたしを好きになる人はいない
わたしが好きになる人はいない
fin d’un début
ある始まりの終わり
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