空が落ちてくるほどの自分勝手な絶望
![恋愛詩集](https://hitokakeranoima.com/wp-content/uploads/2022/06/800-550-1725457_1500.jpg)
恨みたいほど
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好きな人の好きなもの
些細なことでも知りたくて
メモに残したりしてた
イギリスのロックバンド
特殊能力を使う主人公
口の中が痛くなるジュース
ショートカットの女の子
あなたがあまりにも
楽しそうに話すから
恨みたいほどの気持ちだよ
自分の長髪に
心臓を縛られて
この感覚のはじまり
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遠い昔の記憶
密度の高い温もりの中で
安心しきって
眠っていた
そんな絶対的な安らぎを
あなたにも
感じていた
なにか特別な雰囲気で
どこかで繋がっているようで
この感覚のはじまりを
どうしても知りたくて
あなたを
手に取ってみたかった
異常気象のせい
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特別なことなんて
何もなくて
ただあなたがいる空間に
偶然わたしがいる
そう思うようにしています
あなたの周りが
さざめいて見えたり
あなたに触れられたところが
熱かったりするのは
異常気象のせい
この理不尽をだれか止めてほしい
表情と感情
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日々の中で
小さな嘘をつく
何度も 何度も
自分を守るために
足元は削られて
むき出しの木の根
それでも大切なのは
表情と感情
繭にくるまっているかのように
取り繕って
塗り固めて
踏みつけにするのは
何万本もの命
安堵と嫉妬と諦念を抱えて
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好きな人の好きなもの
書き記していたメモ
捨てることは
できないけれど
昔のノートに挟んで
棚の奥深くへ
あの子と並んで歩く
完璧な後ろ姿
目をそらさずに
いられたら
100年経ったかのような
安堵と嫉妬と諦念を抱えて
Journey in to Chapter II
第2章へ続く
Chapter II
一つの光景
あなたの面影を見る
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理解している
そういうフリをしながら
期待まみれの日々
この衝動から
逃げ出したかった
わたしにしか見えない
光と影が
船のように揺れ動き
散りゆく木の葉に
あなたの面影を見る
人生最大の欠点
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あまりにも優しく
雨が降っていたから
あなたの声をこの静けさに
混ぜてみたくなった
きっと淡くて薄い緑
あなたの声はいつも丸く
透き通るほど柔らかいから
その声が手に入らないことが
人生最大の
欠点に思える
恋愛なんかに負けてしまう自分
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戦ってやる
主人公になった気持ちで
わざと乱暴な言葉づかい
鼓舞したのは
恋愛なんかに
負けてしまう自分
紅茶に溶かすのは
染まらない強い覚悟と
揺るがない堅い決意と
抑制した甘い感情
飲み干して
我慢を知られる前に
あなたの中のわたしの存在
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あの子を大切にしている
実感すればするほど
鏡のように反転する心
どっちが本心で
どっちが嘘か
もう分からなくて
分かりたくもなくて
蓋をする
あなたの中にわたしが
少しだけでも存在していれば
もうそれでいい
形に残さなかったことに
意味があるのだと思いたい
自分勝手な絶望
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やさしいあなたを
誠実さから
遠ざけたくはないから
ガラスの家をつくる
誰にも見えないように
ひっそりと内側に
熱情を押し隠して
あなたとあの子の
帰り道
わたしだけが知っている
道端の花の誠実さ
あなただけが知っている
小さな木の実の鮮やかさ
これは自分勝手な絶望
空が落ちてくるほどの
fin d’un début
ある始まりの終わり