あなたの中で迷子
鳥のように寂しい
この岬を越えたら
月に行けると
あなたは言った
鳥のように寂しくて
歌のようにやさしくて
本当はきっと
冗談だってわかってる
だけど信じてみようって
思えるあなたは罪な恋人
夜の砂漠
ほのかな月明りに
照らされて
浮かび上がる
昨日までの恋心
夜の砂漠でつかまえて
どこかへ去ってしまったのは
あなたですね
わかっています
どうかわたしを
呼んでください
そしてまた
抱きしめてください
祈り
人を信じることは
きっと大切なことなのでしょう
素直になることは
きっと大切なことなのでしょう
けれど
あなたを信じて
わたしは自分を見失い
あなたを受け入れて
わたしは迷子になった
誰も悪くない
泣き虫なわたしを許して
あなたのしあわせを祈ります
部屋
わかってる
あなたはきっと
彼女と一緒に
いるんでしょ
ブルーをたくさん
ありがとう
立ち止まれば
ここはあの日の部屋
窓からは
夕暮れの街
あなたの姿は
遠くて近い
今だけは
やさしさをごめんね
可笑しいけど
泣いてしまった
迷い猫
ねぇ、傘の夢って
どんな意味か知ってる?
大切な人が現れて
わたしを守ってくれるんだって
傘を差しているのに
雨が降っていない夢って
どんな意味だと思う?
大切な人がそばにいるのに
気づかずに
通り過ぎようとしてるんだって
わたしはあなたに
傘を差し出して
逃げるように走り去るわ
あなたに気づかれないように
雨上がりの街に出かけて
あなたの大切な
恋人じゃなくなるわ
Journey in to Chapter II
第2章へ続く
Chapter II
一つの光景
言葉と時間
言葉はすべて
溶けてゆく
時間はすべて
流れ去る
放課後の教室
西日が射して
あなたの恋人という
切符を窓から捨てた
空に舞う紙切れは
やがて花になって
わたしをひどく
落胆させた
白い糸
大切なもの
あなたがくれた
悲しげな横顔
大切なもの
あなたがくれた
静かなため息
それ以外
なにもないけれど
わたしの体の
全部の場所
細くて白い糸みたいに
ちぎれて散って
燃える氷
あなたはまるで
空虚な雪原
わたしの心は
永久凍土
言葉さえも
凍りついてしまう
あなたはわたしを
氷みたいだと言った
わたしはあなたを
残酷な人だと言った
つないだ手は
燃える氷
コールド・フィーバー
いつか2人で観たよね
樹氷みたいな思い出
小さな願い
いつかあなたが
わたしの恋に
気づくのならば
一緒に歩いた
あの街のどこかで
目を閉じてみて
きっとわたしは
あなたを包む
星になれそう
電車が止まって
帰れなくなった
朝までの時間
過ぎた日の恋
消えない想いを
どうか連れ去って
あなたでなければ
それは叶わない
ほかの誰かじゃ
私の恋を
連れ去ることは
できないの
過ぎた日の恋が
消えることはもう
2度とない
fin d’un début
ある始まりの終わり