ひとしずくの恋 | 恋愛詩集 by 弓 リツ
あいのうた
君の好きな曲をずっと流して
君のことを想っている
最近ずっとこんな感じ
このフレーズが好きなんだねと
自然に笑みが零れている
君らしいと僕も気に入る
今度二人で一緒に聴こうよ
そのフレーズを僕が歌うよ
愛してるって僕から言うよ
恋心
恋の前駆体が駆け巡る
君に会うと増えていく
消える前にかき集めて
心にきちんと仕舞って
そして恋になる前日に
花束を持って会おうか
手
手をつなごう
何でもいいから
手をつなごう
君が分かるから
辛くても泣かない君の
心が分かる気がするから
微笑みの中の悲しみに
寄り添える気がするから
手をつなごう
そして眠ろう
一緒に
琥珀のかけら
秋の太陽は黄色くて
くすんだ空気を寂しく照らす
夏の日射しで褪せた緑
あの暑さで溶けた赤色
元の場所に戻った君と
変わらずここに居る僕
熱に押され手を繋いでいたら
今頃温もりを分けていたかな
虫の声がまだ聞こえるから
夜が来てもひとりじゃない
君はなにを思っているかな
誰かの隣で寝ているのかな
眠れない夜が明けていく
窓の外を眺めている
あの空から降り注ぐ
琥珀のかけらを拾いに行こう
冷たい手
春が終わり夏が始まるのに
君の手は冷たいまま
冷たい風が冷やしたまま
手が冷たい人は心が温かい
なんて言うけれど
僕は心が冷たいのかな
分からない
けれど、いつでも温かい僕の手で
君の手を温めたい
君の心が温かいのなら
僕の冷たい心で冷えないように
手だけでいい
つなぎたい
Journey in to Chapter II
第2章へ続く
Chapter II
一つの光景
ひとしずくの恋
青空が泣く日は
星を集めて瓶に入れよう
月夜が陰る時は
朝の香りを想って寝よう
儚い恋でした
空から見ていますか?
美しい夢でした
今の私はどうですか?
ひとしずくの恋の水が
乾いて枯れないように
毎日水遣りを欠かさず
あなたが願った世界を
胸に抱いて私は生きる
さよなら初恋
桜が咲いたら引っ越す君に
何を言えばいいだろう
今さらずっと好きだった
なんて言ったらきっと困るよな
君との話が好きでした
君の隣りが好きでした
君の笑顔が好きでした
君が大好きだったんだ
桜の花の散るころに
僕はまた思い出す
君の隣りにいれたこと
君が話してくれたこと
君が笑ってくれたこと
君を大好きだったこと
もうすぐ夏
ペットボトルを鞄に入れて
空の機嫌をみながら自転車で
お気に入りの喫茶店まで
君と一緒に出掛ける昼
まだ夏じゃないのに
小さな扇風機が
君の横で回っている
かき氷はまだだったね
また来月一緒に行こう
そうしたら
イチゴ味のかき氷が
君の舌を赤くして
僕の心を赤くする
晴れのち曇り一時雨か雪
明日晴れるかなんて分からない
君の心だって明日は分からない
ずっと晴れだとつまらない
ずっと雨だと悲しくなる
だから時々曇って喧嘩して
雪みたいに凍っても
晴れのち曇り一時雨か雪
繰り返して僕たち
ずっと一緒にいよう
もうすぐ冬
急に冷えた朝
去年、君がくれたマフラー
ちょっと早いけれど
首にふわりと巻く
衣替えで出したばかり
やわらかく優しい香り
それから君の温もり
隣じゃなくても感じる
着込んだ僕を笑って見送る君
真冬になったらどうするの
そしたら一緒に手を握って歩くよ
コートのポケットの中で
fin d’un début
ある始まりの終わり
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