恋愛詩集

恋の始まりと、恋の終わり。終わらない始まりと、ある始まりの終わり。
それが恋愛詩集です。
恋が叶っても、恋が叶わなくても、それは世界でたったひとつの物語。
恋する気持ちが終わることはありません。
あなたの勇気が、一かけらの今を、切ない恋の詩を彩ります。

悲しみをたたえた世界
恋愛詩集

悲しみをたたえた世界

あなたがくれたもの あたたかな風に舞う はかない花びら 一面の黄色に ほころぶ微笑み 分厚いコートを脱いだ リネンのワンピース はじめて手に入れた ティファニーのときめき あなたがくれたもの 忘れ去った記憶の残像 寄せては返す 月下のさざなみ 縮まることのない 彼方の願い 悲しみをたたえた ウツボカヅラ

ただあなたを捕まえたいだけ
恋愛詩集

ただあなたを捕まえたいだけ

光の中へ わたしたちは往く 科学の進歩も 文化の発展も 関係ないね 前時代的な恋を したいだけ そのために わたしは巣をつくり あなたを捕まえる 超古代の叡智かもね 寡黙なスナイパーは わたしには向いていない 蠱惑のスパイダー 柄でもないけれど もしかしたら 現代的かもね ただ あなたを 捕まえたいだけ

恋愛詩集

8分間だけの両思い

はしゃぎすぎた帰り道 駅のホームで たくさん話した 車内アナウンスは 急行の停車駅 わたしとあなたは 普通列車であと2駅 みんなが降りたあと シンとした車内 それがわたしとあなたの 限られた時間 あと何回 この時間を過ごせるのかな あと何駅で この気持ちは伝わりますか 毎日毎日 2駅分を過ごしては 今日もあなたと 別れるだけ わたしだけが 切ないだけ?

サヨナラの前に、未来の話をしよう
恋愛詩集

サヨナラの前に、未来の話をしよう

慈しむように時を重ねても 近づく瞬間を 遠ざけることはできない 積み重なる悲しみと不安に これ以上は抱えられないと 目を背け続けたわたし 痛みを伴う争いを いつも無意識に避けてきた君 泣くのはいつだってできる 待ち受ける痛みや苦しさは 何をどうしても軽くなんてできない だから 未来の話をしようよ その先に光を見出そうよ 再び交差できると希望を抱こうよ 二度と運命は重ならなくても 君とわたし 過ごした日々は正しかったと 確かに言えるように “今”に押しつぶされないように 未来の話をしようよ

あなたとつくった陽だまりの世界
恋愛詩集

あなたとつくった陽だまりの世界

どこかにある わたしの居場所 小春日和のようなら どんなにいいかと 想像していた「いつか」 ようやくわかった わたしの居場所 どこかにある わけじゃなかった 用意されてる わけじゃなかった あなたとつくった 陽だまりの世界 わたし達の 特別な居場所